斎藤昭人の情報戦に立つブログ

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経済制裁はいかにロシアを殺すか?part.4

Kamil Galeev氏による論考記事の和訳。経済制裁によってロシアがどのように崩壊していくか、具体的かつ明瞭な論旨で考察されています。 こちらはpart.4になります。 part.3はこちら

 

ロシアで唯一の戦車生産者であるウラルバゴンザボドの生産がすべてストップしているのも不思議ではない。2014年に導入された古い経済制裁は、新しい革新的な戦車の開発を許さなかった。2022年の新たな制裁では、戦車の製造は一切許されない。

 

ロシアの軍需産業は、欧米の機器や部品に全面的に依存している。ロシアでMLRSと砲弾システムを生産しているMotovilihinskie Zavody社について考えてみよう。ご覧のように、彼らはイタリアのTacchi Giacomo e Figli SpA社のターンミル工業機械を使用している。

 

ロシアの軍事工場に納入しているバルト工業会社のCEOのインタビュー。「我々は産業機械、ベアリング、ボールネジ、スピンドルを生産していない。ロシアは「クールな」兵器をたくさん生産できる。しかし『つまらないもの』を生産することができないので、没落していく」

 

軍事産業も死につつある。車や自動車の工場が部品やコンポーネント不足で止まっている。従業員を解雇しているのだ。もちろん、解決策を見つけようと、「ロシアの部品から」新しい自動車を作ろうとするところもある。まあ、聞こえは良いが、効果はない。

 

エカテリンブルク警察の命令を見てみよう。経済制裁下では修理ができないので、警察官はもう外国産の車を使うことができない。そのための部品がないのだ。

 

もう一つの被害者は鉄道だ。ロシアは、鉄道車両の生産をローラーベアリングからカセットベアリングに切り替えた。その方が効率がからだ。しかし、ロシアにある3つのカセットベアリングの生産工場は、いずれも外資系で輸入に頼っている。鉄道も大変だ。

 

鉄道は、この国を支えている主要な骨組みである。北米と違って、モノを運ぶだけでなく、人を運ぶのにも極めて重要な役割を担っている。ロシアの高速道路はひどいものだ。この国をつないでいるのは鉄道なのだ。もうすぐ崩壊するが。

 

ロシアの航空会社も今、混乱している。ロシアはボーイングエアバスの新しい部品が手に入らず、維持できなくなる。そのため、ポベダ航空は保有機材を40%削減する予定だ。部品が不足しすぎて、すべての飛行機を稼働させることができないのだ。

 

そう、ロシアには自前の航空機産業がある。しかし、航空機工場は外国の部品も使っている。ロストフ航空機工場が輸入不足で閉鎖されたので、ロシア製のАн-24とАн-26の修理は不可能になるだろう。せいぜい5〜6ヶ月の寿命だ。

 

大臣とその側近が、「盗んだ飛行機を海外で修理することはできない」と話し合っているこのインタビューを考えてみよう。そう、彼らはロシアでやろうとするだろう。部品の輸入が止まっている状態で修理するの?ご幸運を。