斎藤昭人の情報戦に立つブログ

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経済制裁はいかにロシアを殺すか?part.1

Kamil Galeev氏が書かれた論考記事です。経済制裁によってロシアがどのように崩壊していくか、具体的かつ明瞭な論旨で考察されています。一読の価値あり。時間がない方向けにまとめを一つツイートしてから詳細を和訳します。

 

ロシアが崩れていく。2014年の古い制裁は、新しい革新的な兵器の開発を妨害した。2022年の新たな制裁は、ロシアの軍事的努力を損ない、技術的チェーンと通信ラインを破壊し、その結果、国をバラバラにしている。

 

欧米のアナリストは、ロシアの強靭さを大きく過大評価している。ロシア人自身が、この国家の終焉を口にするようになった。ペスコフの「言いまちがい」に注目。「ロシアを排除するために特別作戦を開始」

 

ロシアの終焉 - それが今、テーブルの上にある。プーチンの宣伝マンであるソロビョフのトークショーを見てみよう。彼らはロシアがウクライナと締結するいかなる条約もその敗北を意味する、と主張している。プーチン政権ではなく、ロシア全体の終わりの始まりだ。

 

ウクライナにおけるプーチンの交渉役であるメディンスキーは、「今まさにロシアの存在が危機に瀕している」と主張している。さて、そこで疑問が生じる。この人たちはどうやってロシアを危機にさらしたのだろう?強迫性ギャンブル障害か何かだろうか?

 

彼らはロシアの勝利を確信していた。我々は絶対的な軍事的優位性を持っており、ウクライナを簡単につぶせる。侵略はしないが、侵略すれば100%勝つだろう。これは、ロシア軍が無敵であることを前提にしたものだった。2月下旬と現在のロシアTVの雰囲気を比較してみよう。

 

ロシアが勝つという仮定は3つの要素に基づく。まず、第二次世界大戦の神話。第二次世界大戦時、ロシアは経済大国の側で戦っていたが、今は経済大国を相手に戦っていることを、彼らは都合よく忘れている。アメリカのスチュードベーカーに乗ったソ連兵を見よ。

 

セルジュコフの軍事改革を語る人は多い。しかし、効率至上主義のセルジュコフは利権団体の怒りを買い解雇された。後任のショイグは、軍よりもカルト的な人格形成に関心がある宮廷注力者、あるいは広報注力者だった。彼の寵愛を受けた人々は彼を「スベデイ」と呼ぶ。

 

多くの人がシリア戦争のことを話す。ロシアがその戦闘能力を証明する「多くの経験」を得た場所だ。プーチンも、ロシアの将兵も、西側の「専門家」もそれを信じた。しかしロシア人兵士だけは信じなかった。シリアで戦ったワーグナー傭兵のインタビューを見てみよう。

 

2月26日、ワーグナー傭兵はロシア軍がシリアで得た「実戦経験」という神話を否定した。航空戦も防空戦も実戦経験した。しかし、陸上部隊はそうではなかった。ウクライナでのロシアの勝利の行進を期待する人たちは間違っている。ウクライナは2015年以降、ずっと強くなった

 

引用は控えるが、他のロシア軍関係者は、「シリアの経験はロシア軍にとってマイナスである」とさえ主張している。例えば、ロシア軍の役割の多くは、気付かれずに待ち伏せをするのが難しい平原の砂漠で、シリアとイランの補給キャラバンを護送することだった。